デジイチなどで写真のことを勉強するとき、絞りと同じくらい重要になってくるのが「シャッタースピード」についてです。躍動感ある写真を撮影したり一瞬を捉えたりと、自分の思い通りの写真を撮影するためにシャッタースピードについて勉強しましょう。
シャッタースピード
シャッタースピードとはその名の通りシャッターが切れる速さのことです。
必ずファインダーや液晶画面に「1/400」といった感じで表示されています。この場合は1/400秒でシャッターが切れます。
シャッタースピードを変えるとどうなる?
シャッタースピードを変えるとどうなるかは写真を見てもらうのが一番わかりやすいです。
↓ 1/400秒の写真
↓ 1/30秒の写真
このように、シャッタースピードを変えることで動いている物の一瞬を捉えたり、動きの動線を見せる写真にしたりすることができます。
シャッタースピードを使いこなすには?
動きを出したいとき
→シャッタースピードを遅くする
一瞬を捉えたい時
→シャッタースピードを早くする
シャッタースピードの設定の感覚はなかなか伝わりにくいので、自身のデジイチを使って設定を変えてためしてみるのがいいと思います。
競馬場での競走馬の例
[Nikon D7000][シャッタースピード:1/100秒][F11][使用レンズ]
[Nikon D7000][シャッタースピード:1/640秒][F11][使用レンズ]
上の写真のように、シャッタースピードを速くすると全力で走る競争馬の足でさえ止まったように写ります。
逆にシャッタースピードを遅くすると競走馬の速さが伝わる写真になります。
どれが良いというものではなく、自分の好きなシャッタースピードを選ぶといいと思います。
このようにシャッタースピードを意図的に変えて写す場合は、シャッタースピード優先モードが便利です。
シャッタースピードを自分で調整し、他の絞りなどの設定をカメラに任せるモードです。
※シャッタースピードを速くすると絞りが開き、逆に遅くするには絞りが絞られますので、被写界深度(ピントの合う深さ)が変わることにも注意が必要です。
暗いところで速いシャッタースピードを得るには?
室内・夕方・朝方・曇りの日などには、光量が少ないのでシャッタースピードを早くすることがむずかしくなります。
このような場合、近距離の場合は、ストロボを使うと速いシャッタースピードが得られますが、バックは暗くなってしまいます。
それに、ストロボの光が届く範囲は限られていますので、遠くの被写体にストロボを使っても無意味です。
説明書にストロボ光が届く範囲、またはガイドナンバーが書いてありますので確認して下さい。また、マニュアルでストロボ光を設定できる場合は、ストロボ光の計算方法を参考にして下さい。
ストロボを使わずに速いシャッタースピードを得るには?
ストロボを使わずに速いシャッタースピードを得るには、ISO感度を調整します。
ISO感度を上げ、絞りは開放(一番小さいF値)に設定することで、速いシャッタースピードで撮影することができるようになります。
ISO感度は400~800にすると、速いシャッタースピードが得られます。
しかし、ISO感度を上げるとノイズが増え、プリントが汚くなりますので、事前に自分のデジカメが、どのISO感度まで実用になるか確認しておくとよいでしょう。(canonのEOS Kiss X5だと常用ISOが100~6400!)
シャッタースピードを長くとって手ブレしてしまうよりも、ISO感度を上げてしまってノイズが発生したほうが気にならないのでここぞという時にはISOを高く設定してみるのもいいと思います。
デジイチによってはISO自動制御モードというものもあり、手ブレしないギリギリのシャッタースピードを維持できる最低ISOを自動で設定してくれるものもあるので便利です。
明るいところでシャッタースピードを遅くするには?
明るいところでシャッタースピードを遅くするには、ISO感度を低く設定したり、絞りを絞ればシャッタースピードは遅くできます。しかし、絞りを絞れば被写界深度(ピントの合う範囲)が深くなりますので、バックをぼかしたい場合には不向きと言えます。そこで絞りをあまり絞らずにシャッタースピードを遅くするには、NDフィルターがおすすめです。
詳しくは
「減光フィルター(NDフィルター)とは?」
を参考にして下さい。
蛍光灯の下や、テレビを撮ったときに発生する縞模様について
電光掲示板や蛍光灯の下で撮影した時に、模様が出たことはありませんか?
これはフリッカー現象と言うもので、電気の周波数と関係しています。
このシャッタースピードをいじることで、フリッカー現象を防ぐことができます。
細かい発生原因については
「フリッカー現象について(後日追加予定)」
を参照してください。
1/100秒よりも遅いシャッタースピードで撮影すれば、フリッカー現象は起きにくくなります。
理想的には、東日本では1/50秒以下、西日本では1/60秒以下のシャッタースピードにすると、ほとんどフリッカー現象は起きません。
手ブレしにくいシャッタースピードは?
手ブレを起こしにくいシャッタースピードは、焦点距離分の1と言われています。
例えば100ミリ域で撮影する場合は1/125~1/90秒を目安にするといいでしょう。現在は手ぶれ補正機能が搭載されている機種も増えてきましたが、手ぶれ補正機能への過信は禁物です。しっかりと安定したカメラの構え方が重要なことはもちろん、1/4秒などのスローシャッターでは三脚が必須です。
長くシャッターを開いておくテクニック
暗い場所でシャッタースピードを極端に長くすることで、光の筋を残すこともできます。
1つのテクニックとして覚えておきましょう。
まとめ
- シャッタースピードを変えることで、躍動感を出したり、一瞬を捉えたりすることができる
- 手ブレしてしまう程暗い場所ではISO感度を上げる
- 躍動感を調整したい時はシャッタースピード優先モードが便利
- 蛍光灯や電光掲示板の前ではシャッタースピードを1/100秒以下に設定することでフリッカー現象を防ぐ
他の基本知識については、
●絞り、シャッタースピード、ISO感度に関する全体的な説明をしている
「写真を撮る時に大事な3つ」
●絞りの説明をしている
「絞りとは?」
を参照してみてください。
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