単焦点レンズとは、焦点距離が固定されたもののこと。
簡単に言うとズームが出来ないレンズのことです。
初心者にはいまいちわかりにくい単焦点レンズについて解説します。
単焦点レンズとは
ズームができないレンズは不便だと思うかもしれませんが、単焦点レンズの方がズームレンズよりもガラスの特性(欠点)を改善しやすく、描写性に優れています。
Wikipediaには以下の様な記述があります。
wikipediaより
焦点距離が固定されたもの。焦点距離を連続的に変化させられるズームレンズの反対概念。ズームレンズと比べ、
- レンズの構成枚数が少ない傾向にあるので逆光に強く小型軽量である。
- 色収差、画像のゆがみ、ひずみを補正しやすい。
- F値を小さくしやすいため、幅広い絞りの選択による豊かな表現が得られる。また、絞りを開けることで高速なシャッターを切ることもできる。
といった特徴を持つ。
写真学校などでは、ズームレンズから入るとズームに頼ってしまい足を使わなくなってしまうということから、まずは単焦点レンズで構図などの勉強をすることが多い。
専門用語も少し含まれていてわかりにくい部分があるので、一つ一つ解説します。
レンズの構成枚数が少ない傾向にあるので逆光に強く小型軽量である。
単焦点レンズはズームなどを行わないため、レンズ枚数が少ない物が多いです。
その分小型で、持ち運びに適していると言えます。
また、レンズ枚数が多いとレンズフレアが起きやすいのですが、単焦点レンズはレンズの枚数が少ないため比較的レンズフレアが起きにくい構造になっています。
この写真の丸い輪っかがレンズフレアです。レンズフレアとは太陽光がレンズで反射して起きる現象です。
だから逆光に強いというわけです。
色収差、画像のゆがみ、ひずみを補正しやすい
色収差とは、
wikipediaより
色収差(いろしゅうさ、chromatic aberration)とは、レンズで像をつくるときに、光の波長によって像にずれを生じることである。
です!わかりませんね。画像を見てみましょう。
このように、モワワワと色がぶれてしまうことを色収差といいます。
これはレンズの枚数が多いことで起きやすい現象です。
したがって、レンズの枚数が少ない単焦点レンズは色収差が起きにくいということになります。
以上のことから、単焦点レンズは画像の歪みや歪みを補正しやすいといった特徴が現れます。
F値を小さくしやすいため、幅広い絞りの選択による豊かな表現が得られる
これが多くの人が知っている単焦点レンズの特徴だと思います。
単焦点レンズはF値が1.8などかなり小さい値をとれるので、より一層背景をぼかす撮影ができます。
また、F値が小さいことで、光の量が多くなりシャッタースピードも上げることができるので、暗い場所での撮影にも適しています。
ズームレンズF5.6と単焦点レンズF1.8が同じ絞りで撮影したらどうなる?
単焦点レンズについての様々な特徴を紹介してきましたが、個人的に気になっていたことについての解説です。
もしズームレンズと単焦点レンズで同じ絞り(例えばF11)で撮影した場合の違いはどうなるか。
一眼レフがAF(オートフォーカス)するときは解放(単焦点F1.8のときはF1.8)の状態でAFします。 一般的にF値が明るい方がAF精度は高くなります。
そして、シャッターを押したときにF11に絞り込まれて撮影されます。
また、今まで解説をしているように単焦点レンズ自体がズームレンズより歪曲・収差が少なく、ズームレンズだと大口径の高級レンズでもなければ単焦点のような描写は得られません。
つまり、単焦点とズームレンズでF11で撮影した場合、単焦点はズームレンズよりAF精度が高く、歪曲収差の少ない(描写力が高い)写真が撮れるのです。